JAPAN Organic 国産オーガニックをもっと身近に─CRECOS(クレコス)

国産オーガニックをもっと身近に、生活の一部として感じてもらいたい。
日本国内のオーガニックに携わる方々や知識人へインタビューをして、素晴らしさを探るこの企画。今回は、奈良発、オリジナルオーガニックブランド「クレコス」と「クオン」を展開する株式会社クレコス 代表取締役社長 暮部 達夫さんに、国産オーガニックの魅力について伺いました。

| オーガニックとの出会い
You&Organic編集部(以下Y&O編集部): 暮部さんがオーガニックに出会ったきっかけはなんですか?
株式会社クレコス現会長の暮部恵子が、世間にあふれかえる化粧品が石油由来の成分が当た前のようにふくまれていることを知り、「自分の娘に、こころから信頼してすすめられる化粧品を」との思いでコメヌカ発酵液など国産の天然植物成分を配合したコスメブランド「CRECOS(クレコス)」を1993年に立ち上げたことが始まりです。そのため、まだオーガニックという言葉が一般的ではなかった時代から、高い意識をもって化粧品作りを目指しておりました。 時を経て2011年9月にQUON(クオン)というオーガニックという概念を更に越えた日本の自然栽培の原料をキーとなる素材とする国産ワイルドクラフトコスメブランドを立ち上げることとなりました。
| 日本と海外のオーガニックについて
Y&O編集部: 暮部さんが考える日本と海外のオーガニックについての違いについて教えてください
海外オーガニック界は、オーガニック認証を取得していること以上に、バイオダイナミック農法などの生物の多様性に配慮した環境で植物を育て、配合。また、環境負荷をできるだけ少なくするよう、水量の削減、パッケージの削減、容器リサイクル等、持続可能な社会をつくりだそうという努力を重ねています。
この点については、日本オーガニック界は、日本という枠にとらわれず、世界の動向に意識を向け、更なる企業努力をしていく必要があるのではないかと考えています。
一方で、日本は高温多湿な四季のある環境に暮らす日本人の体質、肌に合うよう、日本の大地に育った植物を原材料栽培からオリジナル原料開発、製品製造まで一元化されているブランドも多く、海外との差別化につなげようとしていると思います。
| 日本のオーガニックの展望
Y&O編集部: これから日本でのオーガニックに対する意識、そして希望などもあれば教えてください
現在の日本のコスメブランドは、オーガニックであるなしに関わらず、その地域にある植物の力を使った、地産地消、ご当地コスメが注目を浴び、いかに希少な直物を見つけるか、それを原料とするかに、しのぎを削っているようにみえます。これにも既に限界がきているのではないだろうか、世界的にミレニアル世代、Z世代が台頭してくるこれからの時代には、オーガニック認証取得有無より何より、SDGs17のゴールにも示されている通り、持続可能な世界を目指すために、この企業はどのような取り組みをしているのかということを、更に問われてくるのでは、と考えております。
今後の日本のオーガニック界は世界を見据え、取り組みを早急に強化していく必要があると思っています。
◉ オーガニックブランド「CRECOS / QUON」とは


奈良で約26年以上にわたり「日本人の肌に合った本当の化粧品づくり」を目指しつづけています。国産のお米、へちま、アロエベラなど日本の植物原料にこだわった「アンチエイジングブランドCRECOS(クレコス)」。オーガニックを越える自然農国産の大和茶とホーリーバジルを化粧品原料として配合し、国産原料比率にまでこだわりをもった「QUON(クオン)」これら2つのブランドを通して、例えば、障がい者施設で、化粧品原料を製造してもらう、国産の間伐材を利用したパッケージをつくってもらうなど農業、福祉、森林の問題にも取り組むソーシャル活動もおこなっている。また、2018年からは、新しい地域活性化モデルをつくるため、化粧品製造工場唐津FACTOも始動。https://www.crecos.co.jp

PROFILE
暮部 達夫 さん/株式会社クレコス代表取締役社長
約26年もの間オーガニックコスメ「クレコス」「クオン」を立ち上げ、それらを通しソーシャルな活動は注目されている。また、2018年より新しい地域活性化のモデルをつくるため唐津FACTOを始動させた。