不妊治療を始めるタイミングやその方法について

子作りを意識し始めると気になるのが”不妊”という言葉。
不妊治療を受ける人は年々増加しており、もしかして私たちも……と考えるのは、ごく自然のことです。
不妊治療を始めるきっかけやタイミングはいつなのか、不妊治療っていったいどんなことをするのか、ご紹介しますね。
◆不妊症の目安について
妊娠を望んでからどのくらいの期間授からなければ、不妊症の疑いが持たれるのか、ご存知ですか?
3年?5年?
いいえ、実は1年なんです。
1年間避妊をせずに仲良く夫婦生活を送っていれば、多くの人が自然に妊娠すると言われています。
日本産科婦人科学会でも、不妊の定義を
”生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。”
としています。
そう、子作りを始めてから1年経過しても妊娠しない場合は、検査を受けてみることを勧めているのです。
また、年齢的に不安がある人は、1年を待たずとも、検査を受けるのが良いでしょう。
◆不妊治療はどんなことをするの?
不妊治療のスタートは、まずいくつかの検査です。
これは夫婦で受けるのが基本となっています。
昔は不妊の原因は女性にだけあると言われていましたが、現在ではこれは大きな間違いとわかっています。
不妊の原因は男女どちらにでもある得るのです。
女性は血液検査や超音波検査、男性は精液検査などが基本の検査になります。(状況に応じて検査が追加されることがあります。)
不妊治療は、負担の少ない方法からスタートする、ステップアップ治療です。
年齢や検査の結果次第でスタートポイントやタイミングは異なります。
順を追って紹介していきます。
○タイミング療法
はじめの検査で異常が見つからなかった場合は、タイミング療法からスタートします。
タイミング療法とは、排卵日の2日前から排卵日までに、性交のタイミングを合わせて行う方法です。
およそ半年くらいを目処に行い、状況に応じて排卵誘発薬などを用いることもあります。
○人工授精
タイミング療法で結果が出ない場合には、人工授精を試みます。
精液を採取し、その中から動きの良い精子だけを取り出して、子宮内に直接注入します。
人工授精で妊娠が認められない場合、高度生殖医療へとステップアップします。
費用がかかるだけでなく、体への負担も大きくなります。
○体外受精
精子だけでなく、卵巣から卵子を取り出し、同じ培養液の中で培養して受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。
○顕微授精
1個の精子を卵子の中に細い針で注入する方法です。
体外受精では受精が起こらない可能性が高い場合に行われます。
体外受精や顕微授精を行なっても、子供が生まれる確率は正直あまり高くありません。
30代前半では20%近い確率と言われていますが、40代になると一桁までその確率は落ちてしまうのです。
もしあなた方夫婦が30代で子供を望むのなら、少しでも早く不妊検査を受けておくのが良いでしょう。
◆病院の治療以外に出来ることは?
不妊治療を行なっている人はもちろん、これから妊娠を希望する人にもお勧めしたいのは、健康なカラダ作りです。
例えば喫煙は骨盤内の血流を悪くし、卵巣の機能も低下させてしまいます。
男性の精巣にも影響を与え、精子の数は減り、運動性も低下します。
この機会にご夫婦とも禁煙されることをお勧めします。
また、偏った食生活や不規則な生活は、体内リズムを狂わせ、妊娠しにくいカラダへと繋がってしまいます。
バランスのとれた食事や適度な運動など、健康なカラダを意識することが、過程で出来る不妊対策とも言えるのです。
晩婚化や高齢出産が増える現代では、不妊は決して他人事ではありません。
日頃からパートナーと相談して、不妊に対する知識を持っておくことも大切なことです。